2017年5月9日火曜日

「動員の少ないバンドはライブするのを止めてもらえないだろうか」について同意しつつ自分の考えを述べる

15ヶ月ぶりに書く記事が他人の尻馬に乗る話題なのもなんだかなって感じですが!


海保けんたろー(SONALIOドラムス、ワールドスケープ代表取締役)氏のこちらのツイート、ブログ記事が一部で話題になってます。



これについては海保さんは何年も前から主張されてた案だと記憶してますし、今さら新しいものでもないとは思うのですが。
いかにも炎上しそうなタイトルのせい(おかげ?)であ ん の じ ょ う、「炎上商法乙」だとか「意識高い系乙」だとか「うるせーてめえがバンドやめちまえ」だとかひどい罵声が飛び交ってるようです。


でも僕はこの記事に完全同意です。
僕自身リアルタイムでライブハウスシーンの端っこにいる売れないバンドマンとして。


ここからは僕の解釈。


昔々、ライブハウスに出たいバンドの数>ライブハウスの出演枠の数だった時代は「オーディションライブ」というものがありました。
土日の昼にそのライブハウスに出演したいバンドを集めてお試しライブ的なものをさせます。
で、ハコのお眼鏡にかなったバンドだけが定期的な出演を許されるというシステムです。

このシステムにより出演するバンドのクオリティが担保されます。
またハコごとの好む方向性によってジャンル、カラーの差別化が図られ、ライブハウス自体が一種のキュレーターとして機能し、出演バンド同士のファンの共有もしやすく、バンドにとっても「○○に出演している」というのがステータスになった時代です。

(と言ってますが、僕自身リアルタイムでその時代を見てたわけではないので伝聞です)

今はライブハウス乱立により、バンド<出演枠になったことで、ライブハウス側が枠を埋めるのに必死な状況です。
そのためオーディションライブは無くなり、クオリティ関係なくただ出演してくれればいいやという具合にバンドを集め、ジャンルも考慮しない対バンが組まれることでファンの共有もしづらい状況です。
キュレーターの役割はもはや無く、ただの貸しスペースとしての機能しかありません。

もちろん全部のハコが全部そうとは言いませんけどね。

なぜにそうしてライブハウスが乱立して、さらに食っていけてるのかというと「チケットノルマ制」というものがあるからです。
超々々々乱暴な言い方をすると「バンドが金払ってくれるから出演者さえいれば客なんぞ居なくてもライブハウスは潰れないシステム」です。
チケットノルマ制どうなのよ問題はそこら中でされてると思うので適当にググってください。

ノルマ制が存在するためにライブハウスにとっての営業努力は「出演者を集めること」となり、お客さんへのサービスや音楽的なクオリティの向上は二の次となります。
その結果として、客・バンド双方に不幸な状況が生まれていると言えます。


そんなダメなライブハウスを潰すにはどうしたらいいの?という問への海保さんの解答が「じゃあ出なきゃいいじゃん、ノルマ払わなきゃいいじゃん」なのだと解釈してます。


元記事でも考察されているように、ライブハウスが今より厳しい生存競争に晒されれば生き残るのは必然的に(それは音楽的なのかサービス的なのかはたまた別のアイデアか)何かしらの優れた点を持つ、客として行って楽しい・バンドとして出演する価値のある優良店だけということになります。


意識高い系の逆張りだとか、頭でっかちの机上の空論だとかいう声もあるようですが、目指しているのはある意味「古き良きライブハウス文化を取り戻そう!」という方向だと思うし、むしろ古典的・保守的な考え方ですらあるように思います。
また、ライブハウスの諸問題を解決するための、「バンドマンが個人単位で、今すぐ、実行可能な策」という点ではかなり現実的な提案だと僕は思います。


元記事を読んで「売れないバンドマンはバンドやめろってのか!」って憤ってる方が見受けられるのですが、趣旨は決してそのようなことではないと思います。

集客力=バンドの良し悪しではないし、ライブやめろ=バンドやめろという主張でもありません。
いわゆる「下積み」やその時期を否定するものでもありません。

客のついてない状態で無理なライブをしてただ資金を減らすのはデメリットしかないよ、採算のとれないライブをすることで、自分(バンド)自身の体力を無駄に消耗させて、その結果シーンにとってもプラスにならないことはやめようね!という話ではないでしょうか。


少し具体的な話。

例えば1回のライブでノルマ達成できず20,000円赤字が出るとして、月1でライブしてたら年間24万円の赤字が出ます。
安直な案ですが、この24万円で例えば機材買ってストリートライブやるとか、動画や配信といったネット戦略に充てるとかして別の場所で露出をして、確実にノルマクリアできる程度にお客さんがついてからライブハウスに出演するっていうのはどうでしょう。

下積み=ライブハウスにノルマを払うことじゃないし、音楽的経験を積むのはライブハウスである必要もないと僕は思います。

僕自身の活動の場としてニコニコ動画の界隈なんかを見てますと、まったくライブなんかやったことないよっていう歌い手さん・演奏者さんがバンド始めていきなり初ライブで何十人何百人というお客さんを呼んでる姿もよく見ます。
大きな会場をファンで埋めるのが目標なら、それも下積みと呼んでいいのではないでしょうか。

そもそも、ライブとはハレの場であり、普段積み重ねた試行錯誤の成果を披露してお客さんを楽しませる場であって、宣伝や演奏の練習といったケの努力をライブハウスでやるということ自体が本末転倒のような気さえします。

色んな音楽のスタイルがありますし
「俺の音楽はライブハウスじゃないと輝かないんだ!路上やネットじゃ伝わらないんだ!」
というアーティストもいるかもしれません。
だとしても「ライブハウスで観ると物凄い」ということを広くアピールするために、やはりライブハウス以外の場所を利用できないと、ファンを増やすのは難しいのではないかと思います。


おっと話が脱線&迷走気味……。


音楽で大成しようと思ったときに、ただがむしゃらにライブ!ライブ!というだけでなく、少し知恵を絞って、なるべく楽で早くて安上がりな手段で多くの人に自分の音楽を届ける方法を考えるのは大事なことなんじゃないかと思います。
人生の残り時間もお金も有限ですし、少しのアイデアで時間やお金が浮けば、その浮いた分、音楽により時間・お金を投資できますから。


ここまで書いておいて何なんですが、ここまでの話すべてに実は大きな問題点を孕んでいて、それは、

そもそも音楽が良くなかったら何してもファンつかないけどな!!

というところですね!

まずはいい音楽つくります…。はい……。


最後に……


ボカロ新アルバム作りました!買ってね!

5 件のコメント:

  1. 賛成でも反対でもなく、言いたいことはわかるが穴が大きすぎという意見です。
    当該の記事には質の向上、ライブへの行きやすさを主張する場面がありますが、彼の方法でライブハウス側は営業できるのでしょうか?
    スタッフの品格は面接と教育で実現できますが、提供する飲食物を相応のレベルにするためには相応のスタッフと設備が必要になります。
    設備投資や、そのスペース・喫食スペースを確保するためには床面積が必要ですし、そうなるとテナント料も跳ね上がります。

    それを補填するためにはチケット料金・提供飲食物の価格を上げなければなりません。
    私がたまに訪れるライブレストランではチケットが3500円前後から、2オーダー制であり、安く済ませようとしても1回5000円はかかってしまいます。
    その出費で「気軽に」訪れることが可能でしょうか?

    集客努力をしなさいという意見はもっともですが、理想ばかりで現実がまったく見えていないものと思われます。
    少なくとも企業のトップに座る人間の考え方として疑問を持ちます。

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  2. 初めまして。リツイートで回ってきたので拝観させ頂きました。
    とてもわかりやすく、柔らかい文章に纏められていて素晴らしいですね。海保氏も最初からこのように書いていらっしゃれば誤解語弊も招かずもっと実状を広く認知させる事が出来たのではないかと残念に思います…。

    そもそも現状の小さなライブハウスの目的とはなんなのでしょう?乱立してしまったのはバブルの影響なのでしょうか?どちらにせよ強い理念信念も無く目先の経営に苦しんでいるライブハウスに関しては、果たしてそのような状態で生み出されるサービスが世の中に与える影響とは?存在意義を問いたいですね。

    一番の問題は若い子達が「頑張ればうちからデビューさせてやる」といった謳い文句につられて頑張って何回もノルマ払って出演してしまうという、もはや詐欺まがいの被害にあってる事が私は問題だと感じております。

    大人達が趣味でお金払ってやるぶんには良いのではないのでしょうか。それを見に来るお客さんもまた。それより若い子達の純粋な夢を食い物にしてるのが、私は許せませんね。

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  3. ライブハウスが集客を全くというほどしない現状はおかしいですね。ホームページに出演者のお知らせすらなかったり。

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    1. 集客はバンド側の仕事。
      なぜバンドの客である観衆をハコが集めなくてはいけないのですか?

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  4. ライブハウスが集客を全くというほどしない現状はおかしいですね。ホームページに出演者のお知らせすらなかったり。

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